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脳内人基準メーターを「51」に
4/22(月)に年長さんと木市に行ってきました。美しい花々や盆栽、果樹の苗木などを見て色々な発見があったようです。道行く方々が園児の姿を見てとびっきりの笑顔になるのも印象的でした。
 今回も『「幸せ脳」をつくる3つの法則』(加藤直哉著)からご紹介いたします。
●脳内人基準メーターを「51」にするだけでいい
 加藤先生は、患者さんとの関係がうまくいかないことで悩んでいるときにキャンプ地でイチロー選手の様子を見てその問題を解消したそうです。
「このイチローですが、2つの特徴があります。まず特徴の1つめは背番号が51である(ヤンキースでは31ですが)。もう1つが、野球における自分のパターンとリズムを変えないことです。…この2つをふまえて、私が提唱する『51・イチローの法則』とは、次の2つのルールにしています。
@人間を見る際、『脳内人基準メーター』を必ず51にしておく
A誰に対しても、つねに同じように寸分たがわず行う
●人は好き(51以上)か、嫌い(49以下)で物事を決める
 たとえば、みなさんの職場に大好きな部長と大嫌いな部長がいたとします。その2人の部長が大声で笑いながら談笑していたとします。そのときあなたは、その行為をどうとらえますか? 好意を抱いている部長の場合なら、『部長の笑い声はいつも明るく元気があるから、職場が良い雰囲気になる。部長はムードメーカーだなあ』などと好意的に見るのではないでしょうか。これに対して大嫌いな部長が大声で笑っているのを見たらどうですか。『なんて下品な笑い方だ。あんなうるさい声は仕事の支障になるからやめてほしいよな』と否定的にとらえるはずです。
 恋人どうしでも同じようなことが体験できます。…彼女が大好きな時は、彼女のよいところに意識が向きますから『俺の彼女は最高だ』となります。…これに対して、もう別れを考えているような時期になれば彼女のいやな面に意識が向きます。…
わたしたちは日常、無意識に、頭の中に人間を評価する『脳内人基準メーター』をもっています。そのメーターが少しでも『好き』なほうに傾いていれば、相手の『よい部分』に焦点をあてますし、逆に少しでも嫌いなほうに傾けば、『わるい部分』に焦点をあてます。…私たちは人を含めた対象を大好きにならなくても、脳内人基準メーターを少しでもプラスのほうへ、つまり51以上に保っておきさえすれば、あとは自動的に、相手のよい面を見つけることでその対象とうまくやっていけるということです。」(P14-20引用・参照)
 「人のことをよく言う習慣を養成しなさい。交わっている友人のよい特質に留意し、その過失や欠点はできるかぎり見ないようにし、だれかの言行を悪く言いたくなったら、その人の生活や品性のどこかをほめなさい。感謝の心を養い、わたしたちのためにキリストを与え、死にわたされた神の驚くばかりの愛について神を賛美なさい。人に対する不平について考えても決して得るところはない。神は、わたしたちが賛美によって鼓舞されるように、神の恵みと比類のない愛について考えよとすすめておられる。」(エレン・G・ホワイト著『生活を豊かに』 405ページ)人の欠点ばかりを捜すことに費やす人生もあると思いますが、私たちは子どものよい面をしっかり受け止めた育て方をさせて頂きたいと思います。池宮城義一
2013/05/22

「幸せ脳」をつくる3つの法則
2013年度がいよいよスタートいたしました。
新入園児の皆さん、転入園児の皆さんようこそ鹿児島三育幼稚園へおいで下さいました。心から歓迎申し上げます。在園児の皆さん今年度からは一つずつお兄さん、お姉さんになりましたね。新しい一年一緒に楽しく過ごしましょう。保護者の皆様、本年度もよろしくお願いします。幼稚園の間は早く独り立ちして何でも自分で出来るようになってほしいという思いと親の手を離れて距離感を感じる寂しさの両方を感じる時期ですが、自分の意思で親を愛し友だちや周りの人たちを大切にして生きていけるようにご一緒にしっかりお子様方を見守ってまいりましょう。
 今年の1月に評言社から出版されました『「幸せ脳」をつくる3つの法則』という本に興味深い内容が書かれていました。著者の加藤直哉先生は、大分県の生まれで2000年琉球大学医学部卒、新生児特定集中治療、重症心身障害児施設などの勤務を経て小児科専門医を取得、内科・ペイクリニック・老人保健施設等を数年経験し、同時に山元式新頭針療法、東洋医学にも精通、現在、日本における最先端補完代替医療の第一人者である水上治医師(健康増進クリニック医院長・東京女子医科大学非常勤講師)に師事し、食事、運動、精神までも治療に取り入れた統合医療を実践しておられる方です。本の帯には「悩み、痛み、人との関係が驚くほど改善するのはなぜか?!」と書かれています。最新脳科学で解明された心の処方箋を見てみましょう。
1.人間関係の万能薬「51・イチローの法則」…診療のときの患者さん対応で悩んでいるときに、サムライジャパンの練習でイチローの動作を見て偶然発見した人間関係の要諦、つねに脳内人基準メーターを51以上に保っていれば、クレームにもビジネスにも周囲の人間関係にも大きな効力を発揮する。
2.「チーム・ラッキー」へ入部しよう…いいことがあったら「やっぱりね」、わるいことがあったときは「それもいいよね」。この2つの言葉さえ唱えれば、あなたはつねにラッキー人間でいられる。脳科学でも解析されたチーム・ラッキーにはすごい効果があった。
3.ニコニコ(2525)大作戦…愚痴や不平・不満を言えば幸せは遠のく。いい言葉は「幸せ脳」をつくる---そのメカニズムを脳科学、医学、宗教の面から解説。にこにこ笑顔だけで、周囲もあなた自身も、痛みや病気が著しく改善して幸せになれることが実証された。」
詳しくは次回よりご紹介します。
「だれも、悪をもって悪に報いることのないように気をつけなさい。お互いの間でも、すべての人に対しても、いつも善を行うよう努めなさい。いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。」新約聖書 1テサロニケ5:16−18 不思議に加藤先生の教えと聖書に書いてある幸せの原則が良く似ています。ホームページをご覧下さっている皆様に神様の祝福が注がれますようお祈り申し上げます。 園長 池宮城義一
2013/05/8

7.神への畏敬の念を抱くようになる教育
今回のテーマは「信仰(Faith)――神への畏敬の念を抱くようになる教育」です。
三育教育7つの特徴の最後となりました。

●クリスチャンとして生きる
「…これは、卒業を目前とした献身会という集会で語られた一人の女子生徒の証である。『普段、人前で話すことの少ない私なので、震える声は、どうか笑顔で見守ってくださいますようお願いします。今日は、卒業を目の前に私がいだいている思いや考えをお話ししたいと思います。今、私たちは人生の岐路に立たされています。長いと思っていた高校生活が過ぎ去り、新たな一歩を踏み出す時期となりました。私はこういった変化に弱いらしく、このような時期になると未来に対する心配と不安が心の中を渦巻き、他のことを考える余裕がなくなってしまいます。…この三年間、私はどのように過ごしてきたか振り返ってみて、悔いがないといったら嘘になります。しかし、それでも自分なりに精一杯やったつもりです。自己満足かもしれませんが、三年前とは全く違う、成長した自分がここにいると思います。…ところで私は今、受験勉強の真っ最中です。大学は、まだ決まっていません。頑張っても、今年合格できる保証はどこにもなく、可能性も低いです。…でも、もし、神様が私を用いようとなさっているのなら、乗り越えられる試練のはずだと思いながら過ごす毎日です。…

●大好きな三育
私は、この三育という場所が大好きです。この澄んだ空気、風の音、四季の色鮮やかさ、木々の緑、赤い屋根の食堂、そして星空。夕日の輝き、朝のにおい、土のにおい、パンの焼けるにおい、笑い声、歌声。もうこの空間に長くいることができないと思うと、すべて愛おしく思えます。丁度、旅する人が、次の目的地に向かう時、後ろを振り返りながら行くように、私は今この瞬間を目に焼き付けています。イエス様も、世を去る時に同じような気持ちだったのかなぁ、と思います。
 私はこの先どんな場所に行くことになっても、今と同じようにその一つ一つの場所で学んだことを思い出しながら、そこを去る時に愛(いと)おしい目で振り返ることができるようになりたいです。
 そして、イザヤ46章3〜4節に、「あなたたちは生まれた時から負われ/胎を出た時から担われてきた。同じように、わたしはあなたたちの老いる日まで/白髪になるまで、背負って行こう。わたしはあなたたちを造った。わたしが担い、背負い、救い出す」とあるので、この聖句を信じ、白髪になるまで神様に背負われて行こうと思います。この先、不安もたくさんありますが、一歩一歩神様と共に歩めたらと思います。…』(高3国際英語コースM・O)
 彼らにとって、クリスチャンになるということは、ご利益があるという安易な価値観によるものではないことがこの葛藤からも手に取るようにうかがい知ることができる。しかし、その信仰者の理想や原点といった意味で広島三育学院での体験が、彼らの生涯を通じての心の故郷ともなりえるほどの影響を与えているということは驚きである。…」『十代の心を理解するために』156-160ページ
 しばらく前にサッカーの長友佑都選手のお辞儀をきっかけにイタリアでお辞儀がブームになっていると報じられていました。長友選手に対して、お辞儀にどのような意味があるのかと質問され「尊敬と感謝」と答えておられたのが印象的でした。番組を通してチームメイトを本当に大切にしていることが伝わってきました。尊敬している人を人は信頼するようになると感じました。
 人生は思い通りにいかないことがありますが、どんな困難にも立ち向かう希望と勇気を与えて下さる神様がいつも私たちを守って下さいます。どうか、神様が園児の皆さんとご家族を今年度も力強く支え、祝福して下さいますようにお祈り申し上げます。 園長 池宮城義一
2013/04/24-2

6.人との上手な交わりができるようになる教育
前回からだいぶ時間がたってしまいました。申し訳ございませんでした。
 お陰様で、卒園式、修了式、始業式、入園式を終えることができ無事新学期をスタート致しました。
 今回のテーマは「交流(People Skills)――人との上手な交わりができるようになる教育」です。
 広島三育学院のキャンパスを歩いていると明るく元気な挨拶が飛び交います。キャンパスを訪れた方の多くがこのキャンパスの雰囲気に魅力を感じるようです。「空気が違う」「何か別の世界に来たような気持ちです。」とおっしゃる方もおられます。人を大切にすることを喜びとする生き方が目の前に現実として現れてくるからなのでしょうか。今回も尾上史郎先生の著書から生徒の生の声を中心にご紹介します。

●違いを互いに認め合う
「広島三育学院のキャンパスでは、日本全国28都道府県から生徒が集まってきている。中には、海外からの留学生も含まれている。…日本国内だけでも出身地によってさまざまな地域独特の文化があり、言葉があり、考え方がある。寮生活を通して、その違いを知り、それを互いに認め合うという姿勢が、このキャンパスには溢れているのだ。これは、卒業プログラムの一つである献身会で語られた一人の証しである。『高校に入ったらすぐ友だちもたくさんできたし、その時はそれなりに楽しいと思っていたと思います。しかし、すぐにこれは本当の自分じゃないということに気づきました。今まではその時その時のノリとテンションで何とかできていたけど、24時間友だちといるということは、このノリではやっていけないことに気づきました。自分のテンションが下がっている時の友だちとの接し方がわからなかったし、でも一人でいるのはさみしいし、全部が全部どうしていいかわかりませんでした。テンションが上がってきてギャーギャー騒いでいるのも本当の私の中の一部なんだろうけど、それがすべての本当の私じゃないことを友だちも24時間ずっと一緒にいるから次第にわかってきます。
そんなことを考えていると、これは次第に悩みにかわっていきました。悩めば悩むほど空回りするし、自信がなくなるし、相手の様子もうかがうようになりました。でもまた気づくことがありました。今までは自分だけをわかってもらおうと思っていたから相手にわかってもらえなかったのだということです。それに気づいてから、自分の精神が少し落ち着いてきて三育生活が楽しくなっていきました。そして、私をまた変えてくれたのが、コワイヤー(聖歌隊)と一つ上の先輩の存在でした。その先輩は、いつも自分のしたいようにして、でもそれは自己中心的とかそういったものではなく、いつも周りの人たちを楽しませたいという人でした。私はその先輩を尊敬するようになりました。その先輩の周りには不思議と多くの人が集まっていました。…でもある日、その先輩と話していると、実はいろいろ悩んですごく苦しんでいたことがあったということを知りました。この人でも悩むことがあるんだと少し驚いたのですが、なんだかほっとしました。ただ、楽しく自由にやっているわけではない。ちゃんと考えて、考えて行動しているのだということを知ったからです。私はその先輩が大好きです。…

●悩まなければ  
コワイヤーメンバーとしてクリスマスコンサートのときに改めて実感したことがありました。私たちは、表舞台に立って歌によってストレートに神様について表現し語っています。しかしそういうことができるのも裏のほうでいつも誰かが一生懸命に私たちのために歌う機会を準備してくれている人がいて支えてくれているのだということです。しかし、これはコンサートだけでなくすべてにおいて言えることです。…私たちが卒業していけるのも親や先生方が私たちのことを全力で考えていてくれたお蔭です。長いようで短かった3年間はどこを思い出しても濃いものばかりです。すべてが楽しかったわけではありません。しかし私は三育に入れてくれたことを本当に誇りに思っています。…』(高3総合文理コースH・N)
自分がよき友を得るということは、難しいことではあるが、自分自身が相手にとってのよき友になるということはさらに難しいことでもあるかもしれない。浅く広く表面での付き合いをどんなに続けていても、そこには葛藤は生まれない、葛藤がなければ悩むこともない。悩まなければ、自分を振り返り変化する機会は訪れないものなのだ。…」『十代の心を理解するために』151-155ページ
広島三育学院は決して天国というわけではありません。
それぞれに抱えた現実の問題や課題も存在しています。しかし、その問題をとらえる方法が変わっていくのではないでしょうか。嫌な人は付き合わなければよいというスタンスではなく、どのようにお互いが付き合っていくかを考える中で上手な交わり方が生まれてくるのではないでしょうか。 園長 池宮城義一

2013/04/24

5.他者を尊敬するようになる教育
 2月、暦の上では春を迎えましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
 今回のテーマは第5番目の「尊敬(Respect)――他者を尊敬するようになる教育」です。
「広島三育学院のキャンパスでの正規教職員と生徒数の比は、1対6以下である。講師やパートタイムを含むその比率は、1対3に近い。全教職員とその家族は、同じキャンパス内の住宅に居住しており、教職員自身のみならず、その家族も様々な場面で生徒と直接触れ合う機会がある。正規科目として開講されている『労作』では、全教員と管理系職員が、農業部、キャンパス部、ペンキ部、鉄工部、アート部、写真部、教務部などさまざまな20以上の部門を担当し、1週間に6時限以上の時間を生徒たちと共に働いて、キャンパスを維持管理しているのだ。従って、キャンパスでの人間同士の触れ合いは表面的なものに留まらず、強い絆が生じているのだ。
●3年間の感謝
これは2010年度高校卒業式での感謝の言葉の一部分である。『先生方、3年間ありがとうございました。舎監の先生、先生たちは家族のようでした。…時には疎ましいと思うこともあったけれど、先生たちが本気で関わり続けてくれたこと、しかったり、励ましたり、力づけてくれたこと、感謝しています。学校の先生、私たちは授業中の睡魔との戦いに苦しんだ学年でした。こんな私たちのために先生たちは毎晩遅くまで準備をして授業をしてくださいました。ごめんなさい。そしてありがとうございました。保健室の先生、先生たちに会って、先生たちとおしゃべりして、ちょっと心配してもらいたくて保健室に通っていました。先生たちはまぎれもなく私たちの元気の源でした。管理の先生、事務の先生、3年間私たちを毎日支えて頂き、ありがとうございました。先生たちが目立たないところで黙々と仕事をする姿は私たちに働くことの意味を教えて下さいました。食堂の先生、朝まだ暗いうちから朝も昼も夜も毎日私たちの食事を作り続けてくださり本当にありがとうございました。すごくおいしかったです。でも、食堂に行く一番の楽しみは先生たちの大きな温かい笑顔でした。私たちは先生たちのその笑顔が大好きでした。3年間、愛情あふれる食事とたくさんの笑顔をありがとうございました。三育で働くすべての先生方の背中から私たちは多くのことを教えていただきました。夜中まで一生懸命に仕事をする背中、…スーツ姿で汚いところまで平気で入って掃除する背中、思いっきり怒った後の悲しそうな背中、寒い中、黙々と雪かきする背中、讃美を聞きながら涙を流す背中、そして、先生方の祈る背中が私たちに一番大事なことを教えてくださいました。それは、信じることです。私たちのために祈り、そして信じ続けてくれたこと本当に感謝しています。わからない勉強を夜遅くまであきらめないで教えてもらったこと、一緒に遊んだこと、ふざけ合ったこと、思いっきり怒られたこと、誰にも言えない話を真剣に聞いてくれたこと、いつだって大きな、大きな愛情で私たちを包んでいてくれたこと、絶対に忘れません。私たちは先生たちのような大人になりたい。心からそう思っています。3年間ありがとうございました。
 お父さん、お母さん、3年間学費を払い続けてくれて有難う。私がここに来たいと言わなければ家族はもっと楽な生活ができたはずなのに、と思うこともありました。でも、そんなそぶりを少しも見せずに、明るく、私を三育へと送り出してくれました。お互いに意見が合わなくて衝突したり、うまく自分の気持ちを表すことができなかったり、お父さん、お母さんが期待していたような息子、娘ではなかったかもしれません。でも、いつだって私たちの味方になり、精一杯応援してくれた家族の皆がいてくれたから3年間頑張ってこられました。これまでの数々の反抗や嘘やわがままを許してくれてありがとう。たくさんの心配と苦労をかけたことを考えると本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりますが、ここでの3年間は何にも変えることのできない大切な宝物になりました。お父さん、お母さん、そして家族のみんなのお蔭です。3年間本当にありがとう。』(高3総合文理コースM・Y)」
 人を尊敬するっていいですね。わたしが北浦三育中学校にいた時、明らかに大人を信じられないというそぶりを見せる転校生がいました。顔つきがいかついと言いますか、視線が鋭い感じがしていました。実は視力が弱く見えにくかったようです。言葉遣いや態度もとげのあるような感じを受けました。しかし、三育の教育を受け、先生方や友達と過ごしていく中で明るく陽気な面を良く見せるようになりました。三育の中学生はテレビやゲーム機、マンガや雑誌などがなくても楽しく遊ぶことが上手ですが、転校してきたこの子も友だちと一緒に「缶けり」をして楽しく遊んだり、素直に応対するようになりました。話をするときに以前感じた鋭さがなくなりさわやかな純粋な面を多く見かけるようになりました。彼の心の中に人を尊敬する思いが育ったのではないかと思っています。
 幼稚園生は尊敬と言ってもピンと来ないかもしれません。しかし、幼稚園生は尊敬するお父さん、お母さんの行動をよく見ていてそれをまねします。先生を尊敬していると先生の言いつけに従って行動します。服従を学ぶことは幼稚園生にとって重要なことですが、力で従わせたり、無理やりするのではなく尊敬される方法で園児を導くことが重要なポイントだと思います。
2013/02/07

4.多くの本物経験を提供し続ける教育
新年あけましておめでとうございます。
昨年中お世話になりました皆様に感謝申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

幼稚園は3学期を迎え様々な行事があると共に年長さんがもうすぐ卒園する旅立ちの時でもあります。今共に活動しているお友だちと素敵な思い出をつくり小学校へのステップとしていただけると幸いです。つぼみさん、ちゅーりっぷさん、ばらさんもそれぞれたくましく成長し、それぞれ次の学年へとステップアップする準備が整っているようです。

今回も尾上史郎校長の著書を通して広島三育学院の出来事の中から三育教育の目指すことについて書かせていただきます。テーマは「経験(Experience)--多くの本物経験を提供し続ける教育」です。
「私は12歳の頃から寮生活を送っています。今では手慣れた掃除、洗濯、身の回りの整理も初めは苦労しました。また、人間関係で悩んだり、自分の弱さにぶつかったり、辛さを一人で抱え込んでしまう時も少なくありませんでした。しかし、振り返ってみると『嫌だなあ』と感じていたことが一概に『悪い出来事』とは言えずむしろ今の自分に繋がっているのだと、今は確信することができるのです。きっと、それは、三育という環境の中で神様の導きへの感謝で、心が幸せで満たされていくからだと思います。
『何一つ不自由もない。困っていることも、悩みも、辛さもない』ことからくる幸せではなくて、たとえ苦しみの中にいようとも、それを通して『祈りと賛美の力、共に喜び涙する絆、与えられ守られている命の尊さ』が感じられる幸せが、三育にあると思うのです。私はこの6年間の学びを通して、ゆっくりではありますが『幸せを感じる力』を手に入れつつあるのではないかと思います。(高3国際英語コースK・H)
 これは、6年間の寮生活を経験した女子高生の残した言葉である。広島三育学院での様々な体験が彼女自身の価値観にも影響を与え、自分の身に起こってくる事柄自体によって幸不幸が決まるのではなく、それを受け止める側の姿勢が変わることで起こった事柄の意味が変わってくるという気付きが与えられていることは、彼女にとって一生涯の宝となるに違いない。単に疑似体験を行うのではなく、役割を担い責任を自覚しつつ多くの経験を重ねていくことの強みが、ここにある。」(『十代の心を理解する』P144,145)
「それだけではなく、患難をも喜んでいる。なぜなら、患難は忍耐を生み出し、忍耐は錬達を生み出し、錬達は希望を生み出すことを、知っているからである。そして、希望は失望に終ることはない。なぜなら、わたしたちに賜わっている聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからである。」(口語訳聖書 ローマ人への手紙5:3-5)
 三育幼稚園では、毎日のように讃美、お祈り、暗唱聖句(聖書の言葉を覚える)をしています。小さな繰り返しですが子どもたちの経験を通して着実に安定した品性が形成されているのではないでしょうか。園児たちはイエス様がどんな時にも傍にいて支えて下さり、どんなに弱く小さくても私たちを愛して下さることを経験しています。
池宮城義一
2013/01/22

3.情緒的強さが身につく教育
 幼稚園は今日で2学期が終わりとなり明日から冬休みです。今年も残すところわずかとなりましたがいかがお過ごしでしょうか?昨日園舎に行くと年長さんが拭き掃除をしていました。家庭にいると当たり前のことかもしれませんが、幼稚園児がみんなで拭き掃除をしている姿に感動いたしました。いいですね。お手伝いの喜びを感じ、お家でもお父さん、お母さんのお手伝いをする喜びにたくさん出会ってほしいです。
 今回のテーマは情緒(Emotional Strength)--情緒的強さが身につく教育です。「広島三育学院のキャンパスでは、生徒が企画実行を担当する行事が多いのも特徴である。ここでは、生徒会の事を研究達成会、略して『研成会』と呼んでいるが、この研成会だけでなく、聖歌隊やハンドベル、人形劇部なども生徒の役員が中心となって活動しているのだ。秋に行われる体育祭は、企画実行委員が公募され、その生徒たちが中心となって実行までやり遂げている。寮においても同様であり、寮会という組織と各学年から選挙によって選出された役員が中心となって、舎監の教員と協力して寮の運営を行っているという伝統がある。失敗も多く見られるのだが、なかなかあきらめないのだ。この強さは、どのようにしてうまれてくるものなのだろうか。以下の文章は、高3の男子生徒が入学希望者に向けて書いたものである。『…僕がこの学校に入学してから、早2年と1学期がたちました。最上級生となり、聖歌隊のリーダーやバスケット部の部長、また寮役員など、多くの役割が与えられています。しかし、3年生になると同時に受験生ともなり進路について悩んでいる上に、自分の役割の責任が加わって、苦しい時期もありました。…しかし、そんな時にある言葉を思い出しました。「日々の暮らしに慣れきった人たちは、良くないこともなかなか変えられない。だからあきらめる。でもあきらめたら負けなんだ」これは「Pay it forward」という映画の中で世界を善意の受け渡しにより変えていこうとした主人公の少年の言葉です。日々の生活の変化を恐れ、何もしないのではなく、アクションを自ら起こし、高校生活を有意義で楽しいものにしていきたいと思えるようになってきました。先日、男子寮の寮役員会で「本当の友だち」というテーマで劇やビデオ、また歌やアンケートを通して全校プログラムを担当しました。皆で何週間も前から準備しました。その甲斐あって、やり終えた後の達成感、充実感は言葉にできないほどでした。この三育では、自分から何かを行うことが大切になってくると思います。また、そのようなチャンスもたくさんあります。それらは達成感や充実感も味わえると同時に、将来必ず役に立つものであると信じています。…』(高3総合文理コースH・S)」(十代の心を理解するために136-139ページ) 幼稚園児は色々な役をこなすことは少ないかもしれません。しかし、お家で出来るいくつかのお手伝いをしっかりこなすことは将来の生きる自信と大きな関係があります。お子さんの身の丈に合った責任を与え、失敗しても心配せず、あきらめずチャレンジできる環境を提供したいものです。池宮城義一
2012/12/21

2.自ら規律ある生き方を選ぶ教育
幼稚園では来年の園児募集が始まりました。
追加募集中です。ご応募お待ちしております。

前回より三育教育についてご紹介しております。
私たちの幼稚園の方向性を見るためにはその先にある中学生や高校生の行動や考え方を知ることが一助になると思い、広島三育学院小中高の校長をしておられる尾上史郎先生著『十代の心を理解するために』の中から抜粋して皆様にご紹介しております。
今回のテーマは規律(Discipline)--自ら規律ある生き方を選ぶ教育です。「広島三育学院のキャンパスの建物は、35年目に入り、老朽化が進んだものも多くあり、決して十分なものが備えられているようには見えない。しかし、そんな中にあって子どもたちは、のびのびと、しかし規律を持って生活しているように見える。この主体性はどこから生まれてくるものなのだろうか。以下の文章は、高1の女子生徒が「自由って何?」と題して中学校を訪問した時に語ったものである。
『私が中学生の頃、高校PRで来ていた人たちがいつも言っていたのが、高校は「自由」ということでした。私はいつも「何が『自由』なんだ?」と思っていました。みなさんもそう思いませんか?高校に入学して分かったのが「自由」はただ単に規則にしばられないで何でも好きにやっていいという「自由」ではないということです。確かに高校は「自由」です。それは「自由に過ごせる時間が多い」ということです。…このような時間に何をするか自分で選ぶことができるのが高校の「自由」なところだと思います。部活をしたい人は部活をしているし、個人的に運動をしている人や音楽室でピアノなどの楽器をする人、ブラスの練習をする人、朝早くから学校に行って勉強する人もいます。頑張ろうと思えばいくらでも頑張れると思うし、なまけようとするなら、いくらでもなまけられます。
高校生活は自分次第でいくらでも上手くも悪くもできます。高校の「自由」には「責任」も伴うということです。規則はゆるいのではなくて、少ないんだと思います。高校の先生は「ルールはなるべく少ない方がいい」と言います。規則を守るか守らないかも自分次第なのです。
…信仰の面も選択ができます。…神様は信仰を強制させる方ではありません。…自分から神様と交わりを持つところです。…(後略)』(高1総合文理コースF・M)
●型に入り、型より出でよ
このキャンパスには中高それぞれに男女の寮を1つずつ有しており、朝は、6時に起床し、6:15からの朝礼拝が持たれている。その後に朝食となる。冬場ともなれば、食事のために寮をでるときには、まだ夜明け前なのだ。しかし、中には起床前に食堂に行き、学費を捻出するために早朝バイトをしている高校生もいる。三育の寮生活の根底には『型に入り、型より出でよ』という考え方があるように見受けられる。中学時代には型に入ることを重視し、個々人が、社会人として良好な関係を築き上げることができるように自らの癖と向き合わざるを得なくなる場面が多い。高校では、さらに自分の行動の責任を担わなくてはならなくなり、自分のとった行動の結果と向き合うことになる場面が多いのだ。『型より出でよ』の実践である。…」(『十代の心を理解するために』p131-135)
 幼稚園はしつけの時期です。正しいことを繰り返し、繰り返し伝えることで規律を身につけ、家のルールを身につけていきます。「靴を並べなさい」と教えたらそのままにすることがないように気が付くたびに園児と一緒に玄関に行き「こうして並べるのよ」と教えます。ほとんどの場合次の日には元通りぐちゃぐちゃになっていると思いますが、「教えたでしょ」と叱るのではなく。「こうやって並べるのよ」と同じように繰り返していきます。そして、ある日玄関の靴がきれいに並んだ時にしつけが成功するという仕組みです。規律ある人生はそれを伝える人に忍耐が必要です。三育の中学校では特に家庭でやったことのない掃除、洗濯、部屋の片づけなどを致しますので戸惑うこともあります。ですから、先輩や先生方がその子が修得するまで忍耐強く伝えていきます。幼稚園児はなおさら時間をかけて規律を学ぶのではないでしょうか。子どもさんたちの成長を共に見つめてまいりましょう。池宮城義一
2012/11/26

1.将来にビジョンをもたらす教育
暦の上でも冬となり寒さを感じる今日この頃ですが皆様お変わりございませんか。
 
 今回より広島三育学院小学校、中学校、高等学校々長尾上史郎先生の著書から三育教育の7つの特徴についてお伝えいたします。今回のテーマは「立志(Vision)――将来にビジョンをもたらす教育」です。
「広島三育学院に集まってくる子供たちは、家庭背景も学力も実にさまざまである。しかし、三年後、六年後には、どの生徒たちも大きな夢を胸に抱いて、意気揚々と巣立っていく。この前向きさは、どこから生まれてくるものなのだろうか。次の文章は、高三の男子生徒が『夢の話』と題して全校プログラムで語ったものの抜粋である。『僕の夢の話をしたいと思います。…高二になって漠然と医療の道を考えるようになり、そんな中でCMM(クリスチャン医療伝道)の授業を選択しました。そして、神戸アドベンチスト病院での実習でホスピス病棟を見学したのです。ホスピスとは、末期癌など死が迫っている人たちがいる病棟です。医師の先生と一部屋ずつ回ったのですが、動くことができず、ほとんどしゃべることもできない患者に丁寧に穏やかに話しかけ、痛みや苦しみを和らげるために考えておられるように見えました。一人ひとりの患者に愛情をもって向き合っていく姿に感動しました。僕はこういう仕事をしてみたいと思いました。苦しんでいる不安な人のそばにいて、安心感を与えられる人になりたい。実際にイエス・キリストは同じことを聖書の中で行っています。12年間出血の止まらなかった女の人の話がそうです。医者と治療に全財産をつぎ込んだけれども不治の病だと宣告されるだけで絶望の中にいた彼女は、イエスのうわさを聞いて、「この方に頼るしかない」と唯一の望みを託したのです。イエス様に近づこうとしたのですが、周りに阻まれます。だめかと思ったとき、イエス様の方から近づいてこられ、その衣の裾に触っていやされたという話です。この女は、衣に触れた行いでいやされたのではありません。イエスに対する信仰が彼女を救ったとあります。ここでいう信仰とは、…イエス様の救いを自分自身のものとして受け入れるということを意味します。…僕たちは、神様を自分の救い主として受け入れるとき、日頃の行いや、三育で培ってきた、たくさんのことを通して周りの人たちにイエス様を証していくことができます。これから皆さんが外へ出て行ったときに、ここで学んだことを生かして少しでも周りの人たちに心のいやしを与えることができると思います。僕もいつでも神様に頼りつつ自分の夢に向かってこれからも努力していこうと思います。』…彼は、『心と体のいやしを提供できてこそ完全ないやし』という気づきとそれを自らが担当していこうという決意に至っているものと確信した。彼は、米国の医科大学で学ぶことをめざして進学している」(十代の心を理解するために126-130P)
 三育の子たちは社会が自分を必要としていることに気づかされているようです。ですから三育の中学生、高校生はとても積極的です。自分の出来る事を探し出し、それを実行する能力が高いと感じることが多いのです。
 よくお話しすることですが、私が前任地の北浦三育中学校(茨城県)にいた時に食堂で見かけた光景です。入学間もない1年生が食堂でお盆をひっくり返しました。ご飯やおかず、みそ汁などが散乱してしまいました。これは拾ってあげなくてはと腰をあげようとした瞬間、周りの先輩たちが一人は箒、一人は塵取り、一人はモップ、一人はキッチンペーパーをもってきてあっという間に片付けてしまいました。その上、他の友だちが食事を同じように準備してお盆をその生徒の手に持たせたのです。いい光景ですね。
2012/11/15

「5%のミニストリー」
皆様、いかがお過ごしですか。
お陰様で鹿児島三育幼稚園では運動会が無事行われました。前日の土曜日には土砂降りの雨でしたが、当日は、すがすがしい午前中、輝くような晴天の午後と素晴らしい天気に恵まれ楽しい運動会が開催できました。ご支援下さり、お祈り下さった皆様、ご協力くださいました役員、保護者の皆様有難うございました。
さて、前回ご紹介いたしました。元園長藤田昌孝先生の講話会「5%のミニストリー」のご報告をいたします。
親として妻、夫として、子として他の誰にも変わってもらうことのできない大切な役割が私たちにはある。そのためにどのようなことを心に留めたらよいか、ということをわかりやすく楽しくお話し下さいました。
以下の文章は先生がお配り下さった資料です。ところどころ講演の内容を括弧で挿入いたします。

タイトル 能力の出し方やるきスイッチ
2012.9.14 藤田昌孝

夫婦
○ 夫婦の愛情のこぼれを食べて子どもは育つ。
難関中学に子どもを合格させた100家族に実施したアンケート調査「日ごろ、夫婦間でどれくらい会話しているか」。 
・30分未満…7%・
・30分〜45分未満…17%
・45分〜1時間未満…42%
・1時間以上…34%
(76%以上の夫婦が45分以上の会話をしている)

○ 夫と妻に対する神の目的
「一生の結合におけるあなたがたの愛情は、相手の幸福を増大するものでなければならない。どちらも相手の幸福のために奉仕しなければならない。これが神があなたがたに対して持っておられるみこころである」(『アドベンチスト・ホーム』103-104頁)。

○ 単純さと幸福
「あまりにも多くの心配事や重荷が家庭の中に持ち込まれ、自然の単純さと平和と幸福の尊ばれることがあまりにも少ない。家庭の外の社会で言われていることをあまり気にかけずに、家族の者にもっと思いやり深い配慮を示さなければならない。表面的な、見せかけの、世的な礼儀正しさをなくして、やさしさと愛情と明るさとクリスチャン的な礼儀正しさが家族の間にもっとなければならない。多くの人は家庭を魅力のある、よろこびの所とするにはどうすればよいか、その方法を学ぶ必要がある。感謝の心とやさしい表情は富やぜいたくよりももっと価値があり、質素なもので満足する心は、愛があれば家庭を幸福にする」(『同上』109-110)。

○ 神は生活の普通の事がらを通してわたしたちを試みためされる。
「心の中の思いは小さな事がらに表われる。人生の幸福の総計をつくりあげているものは、こまかい心づかいや生活における数限りない小さなできごとやちょっとした礼儀正しさである。また人生の不幸の総計を作りあげているものは、親切な愛情のこもった励ましのことばを言わずにいることや、ささいなことに礼儀を欠くことである」(『同上』110)。

コミュニケーション
○コミュニケーションの貯金を黒字に
(コミュニケーションの貯金を黒字にとは子供さんと交わる機会を工夫して増やし信頼関係を深め、思い出を残していくことです。)
遊ぶ。ノーテレビデー。いろんな子どもと交わる。お客様を招く。立派な子ども部屋を作らない。できる子は遊牧民式勉強法。パソコン・本棚はリビングに。(『頭のよい子が育つ家』四十万靖.日経BP社参照)。

○ 時間を作る
「『時間がない。わたしには子供の教育にさく時間がない。社交的なたのしみや家庭的なたのしみをたのしむ時間がない』と父親はいう。それなら、あなたは家族を持つ責任を取るべきではなかったのである。当然家族に与えるべき時間を与えないことによって、あなたは、彼らがあなたの手から受けるべき教育を奪っているのである。あなたに子供があるなら、あなたには、母親と協力して、彼らの品性を形成する働きがある。
『子供たちと一緒にいる時間がない』ということは多くの母親の叫びである。それならキリストのために、衣服にかける時間を減らしなさい。あなたがそうしたいなら衣服に飾りをつけることをおろそかにしてよい。訪問したり訪問を受けたりすることをおろそかにしてもよい。数限りなくいろいろの料理を作ることも怠ってよい。だが子供を決して、決しておろそかにしてはならない。麦にくらべてもみがらは何であろう。あなたとあなたの子供たちの最高の利益の間にさまたげとなるものがはいってくるのを許してはならない」(『同上』207)。

○ ユーモア
「母親は快活な、落ち着いた、愉快な性質を養うべきである。そのために払う努力は、すべて子供の肉体の健康と道徳的な性質の上に豊かに報いられる。快活な精神はその家庭の幸福を増進し、自分自身の健康をも増大する。
夫は同情と不変の愛情をもってその妻を助けるべきである。もし妻を家庭の太陽のように、はつらつとうれしそうにしておきたければ、夫は妻が重荷を負うのを助けなさい。夫の親切と愛にみちた礼儀は彼女にとって尊い励ましとなり、夫が与えた幸福は夫自身の心にも喜びと平安をもたらす。気むずかしく、利己的で、横柄な夫や父は自分が不幸であるばかりでなく、一緒に住む家族のすべてを憂鬱にする。そのために妻は元気を失い、病身になり、子供はその好ましくない気性を受けて、損なわれ、こうして自らの結果を刈りとる」(『ミニストリー・オブ・ヒーリング』359-360)。
なんでもない話が大事。
(弱さを受け入れ、失敗を肥やしにする。お父様はお母様が太陽のように輝けるようにするそんなユーモアのあふれる家庭)

○ 祖父母との交わり
(なぜ昔話の主人公はおじいさんとおばあさんなのか。当時父母は仕事の為、道徳的教育、成長、礼儀を教えるのはおじいさんとおばあさんの働きであった。)


○ 読み聞かせ・音読は必須 本棚はリビングに。
(朗読をすると厳密に読む作業が自然にできるようになる。)

言葉
○ 決定的な言葉・否定的な言葉をさける。肯定的な言葉を用いる

○ 努力を認める
(1990年コロンビア大学の研究 アチューメントテストをしてAのグループは「天才だね」と言ってほめる。Bのグループはほめない。Cのグループは努力を誉める。結果
Aは努力しなくなる。難しい課題に挑戦しなくなる。失敗したくない。うその報告をする。
Bは普通
Cはチャレンジし成績が伸びた。「よく頑張ったね」結果ではなく努力を誉めると成長する。)

手伝い アウトドア 
○ 面倒くさいことをさせる
手伝いは、前頭葉の二つの働き(情報収集分析思考+指令)が発達する。
自然体験の多い子は道徳観が養われる。自然体験は根を拡げる。
(三育の中学、高校、大学は寮生活で面倒くさいことがいっぱいある。自分で洗濯をし、掃除をし、身の回りを整え、学校の管理をしていく。そして人のために役立つことの喜びを習得してく

親として
○夢を語る チャレンジする
仕事の話をする。目標を決める。本を読む。教師を敬う。正直。誠実。正義。
 オアシス(お願いします・ありがとうございます・失礼します・すみません)を行う。
 規則正しい生活。健康管理。家族を愛し、他人にも優しい。
 読書や人間関係によって自分を高める。体を動かすことを面倒くさがらない。

しつけ
○乳児は甘やかし(生きてゆく力をつける)、
 園児はしつけ(優しく反復・限界設定をつくる)、
 児童は教え(善悪を知る)、
 生徒は考えさえる(主体性を身に着ける)。

夕食を一人で食べることがあるか
(2005年11月広島島根小・中対象 広島大学の研究
 全くない人ほど偏差値が高くよくある人ほど偏差値が低い)
まったくない・・・偏差値51.19
あまりない・・・・偏差値49.23
ときどきある・・・偏差値48.28
よくある・・・・・偏差値44.88

一食あたりの摂取食品と学力テスト偏差値

3.9以下・・・偏差値48.9
4〜5.9 ・・・偏差値51.4
6〜7.9 ・・・偏差値53.9
8〜9.9 ・・・偏差値55.4
10〜11.9 ・・偏差値56.7
12以上・・・偏差値61.2
『学力をつける食事』廣瀬正義 文春文庫 1989年

以上です。

何か皆様のお役にたてば幸いです。
秋になり昼夜の温度差が大きくなっております。
どうぞお体を大切にお過ごしください。

園長 池宮城義一
2012/10/03

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