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ゆったりとした別れの中で・・・
 キューリ E-MAIL  - 05/9/4(日) 13:38 -

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[画像あり]〜添付ファイル〜
・名前 : DSC03863.jpg
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   今年は畑下栄さんのことで埋め尽くされたと言ってもいい。
心も身体も時間もすべてを栄さんに奪われてしまったよ。
ひどいね、栄さん!
でも、なんとなく、こんなこと出来る自分がいたんだなぁ、と感慨にもふけってしまっている。

遥か遠い太平洋上から救われて帰ってきた「MIYA」。海保が見つけて下さった保管業者の方は、「MIYA」を「縁起の悪いヨット、廃船にしますか?」と、御遺族の方に平気で言い放った。あのような事故があり、皆一種のショック状態にいるというのに・・。
「今後どうすればいいか解らないから協力して!」との御親戚に依頼され、とにかく落ち着いてMIYAの掃除や整備をするために東京の夢の島マリーナに場所を移した。
夢の島で御世話になる東京ヨットクラブの皆様はとても好意的で、様々なお手伝いをして下さる。「今日はどんな具合?!」と、私たちの作業をチェックし「あー!もっと頑張らないとだめだ!」と厳しい励ましのお言葉まで下さる。キャビンにドデンとある畑下さん御自慢のチャートテーブルに自然と手を合わせる方もいて、有難い。
太平洋の波に揉まれ、大変な状態になっていたキャビンも、脱落していたブームもetcetc、2週間の作業の間に綺麗になった。「おっ!畑下さんが使っていた頃より綺麗だ!」と言って下さる方もいる・・・ごめん、栄さん・・・(^^;
私とかみちゃまは約3週間、MIYAに泊まり、掃除や整備や宴会(?!)に明け暮れた。当初は2週間の予定だったのに、台風襲来、米国からの御遺族の来日、で、結局伸び伸びになってしまった。静かな夜は「ねえ栄さん・・・」と、栄さんともいっぱい話をした。こんなにゆっくりゆっくり時間をかけて別れの時を過ごすことが出来た事に感謝している。

9月2日、畑下栄さんの息子が米国より来日した。栄さんより息子との間に溝がある事は聞いていたが、礼儀正しく優しそうな息子さんの笑顔にほっとした。栄さんの残したたくさんの写真を思いつめたように手にし、一枚一枚大事に目を通した。彼はいつも栄さんが座っていたソファに、栄さんと同じように立膝で座り、ひっそりと泣いていた。初めて見たMIYA、お母さんの名のつくこのヨットにどんな想いが交錯しているのだろう。
MIYAは米国に輸送する予定になっている。息子さんが頑張って今後の事は対処するとの事だった。

長い畑下栄さんとのつきあいも終わりに近づいている。
もうきっと泣かないだろう。
栄さん、もういいよね?
ありがとうね!


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ゆったりとした別れの中で・・・ キューリ 05/9/4(日) 13:38 [画像あり]

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